モンスターハンターのお話
朝日は世界を照らし出す。うっそうと茂る森にも、雪の山の麓の村にも、それこそ寝坊をしているハンターにも。森も山も野原も歓迎しそうな朝日をそのハンターは拒絶した。

「もう……すこし……」

突然、彼に雷が落ちた。

「くぉら、起きろ〜!!!」

朝日の拒絶をしたハンターは運命の神に、ではなく、フラムに怒鳴られることとなった。





「あんな起こし方しなくてもいいだろ〜」
テオが言うと、
「仕方ないだろう、というより今どれほど日が昇ってると思ってるんだ!!」
案の定、フラムはキレていた。
昇ったばっかりじゃん、と思いながらも、少年テオは一応謝る。

「ごめん、ごめん。悪かった」

謝るテオに対し、

「その調子じゃ、ぜっっってえぇ悪いと思ってないだろ!!」

フラムはまだ怒っていた。

「村長に今日来てくれっていわれただろっ!」

確かにそうである。ポッケ村のハンターである二人は昨日達成したイャンクック討伐の報酬を受け取りにきてくれといわれていた。

「そんなんだから、ダメなんだ、お前はっ!」

ひどいいわれようである。
そんなところに一人の少女が駆け込んできた。

「二人ともそんなところで何してんの〜」

流れるような黒髪をした、大きな瞳の美少女であった。

「ああ、ライラか。なんもかんも、寝坊程度でフラムに怒鳴られたんだよ……」
「寝坊程度とは何だっ!」

そんな仲がいいような悪いような二人を楽しそうに少女は見ていた。
朝日はまだ高くはない。ポッケ村の朝は明けたばかりである。




「じゃあ、ヌシの報酬はなかったことになるのう」
「そりゃないよ村長〜〜」

朝のテオの態度を見れば予想のつきそうな会話である。

「だいたい年上のフラム君に少しは敬意を払うべきさね」
「フラムはいいんだよ、てか村長早く報酬ちょうだい」
「ふ〜、わかったけど寝坊はダメじゃよ、寝坊は」
「ふゎあ〜い」

そばで見ているフラムもライラもこれには半ばあきれた。とても十四歳の人間がとる言動には見えない。

「ちょっと、テオ!あたしと同じ年のくせして生意気なのよ!」
「そうだぞ、だいたい俺は十八だぞ!」
「わりぃ、ホントに悪かった。で、お詫びといっちゃあなんだけどさぁ、二人に来てる依頼、手伝うよ」
「お前、まだ寝ぼけてるのか!いつも依頼は三人で受けてるだろう!」
「テオ君は寝起きだけは悪いからの」

村長は背丈がテオの腰くらいしかない老婆だが、老いを感じさせない力強さを持っており、朝からフラヒア山脈入り口の近くで暖をとっている。大抵のクエストはギルドの窓ともいうべき酒場で受注するのだが、報酬を受け取るついでや個人的な依頼などを受ける可能性、三人とも酒は飲めないなどの理由により、村長のほうで依頼を受けることが多かった。

「依頼なら一つ入ってるけど、やってみるかい」

テオの目もようやく覚めた。目つきが一気に変わり、ぼけた村民からハンターへと一気に変貌する。これにはその場にいた全員が驚いた。それと同時に双剣使い独特の覇気を感じて寒気を覚えた。唯一村長だけが平然としている。

「それで村長、獲物はなんだ?」

テオがまとった覇気を消さずに聞いた。

「受注してから聞いておくれ」

テオは微笑んだ。まるでその答えを待っていたかのように。

「いいだろう、教えてくれ」
「勇気があるのは相変わらずだね。今回の獲物は……{毒怪鳥ゲリョス}さ!」

テオの微笑みがそのまま固まった。







「古龍観測所のじいさんに聞いても、その位自分で調べろ!、とかいわれたしな〜」

ぶつくさ言いながら歩いていたのはテオである。クエストを受注したときの覇気はどこへやら、すさまじい落ち込みようである。端から見たら賭で大損したかのように見えるが、テオの性格を考えれば彼は賭をしないとの答えに行き着くのは当たり前であった。心配した武器屋のアイルーに声をかけられて気を取られ、残雪に足を取られてすっ転ぶという有様である。
契約したはいいものの、彼らはゲリョスについての知識は全くと言っていいほど持っていなかった。

「なんか見つかった?」

手に紙片を持ち、鬼気迫る勢いで駆け寄ってきたのはライラであった。また怒られるんだろうなと思い、返事を返す。

「何も見つかってねえよ……」
「あんたは捜し物はへたくそだもんね。あたしは見つかったわよ」

紙片をひらひらさせ、うれしそうに叫ぶライラをみて、一本取られたと、心底落ち込んだテオであった。




 〜ゲリョス〜
大型鳥竜種に属し、毒怪鳥とも呼ばれる。主に湿度の高い地域に生息し、夜間の活動が多く見られる。しかし昼間に活動できない訳ではなく、昼夜問わず活動できるモンスターである。前述の理由により、クルプティオス湿地帯での生息が確認されている。
ゴム質の皮膚を持ち、物理的攻撃に強い。ゴム質の皮が絶縁体になるため雷属性に強く、反対に火の属性に弱い。
毒テング茸の毒を体内で精製した毒は非常に強力で、狩猟の際に解毒薬は必須である。
特筆すべきは


「何でここで切れてるのよ!いいところなのに!」

彼女の言うとおり、紙はそこで終わっていた、というより切れていた。特筆すべきはなんなんだろうと思いながら同時にわくわくしてきた。わからないことが多いほど狩った時の快感は大きい。思ったことをそのまま口に出す。

「面白そうなモンスターだな」
「確かにね、面白い素材も取れそうだし、困っている農民も助けられるし、いいこともあるわね」
 
ハンターはモンスターによって被害がでている場合、英雄になれる可能性がある。その気になればその地で代々語り継がれるような人物にもなれる。しかし、

「純粋に人を助けられると思えば気持ちがいいしな」

テオもライラもそういった場合、名声を求めないタイプであった。もちろんフラムもそういった名声を好まない。困っている人を助けられるからこそテオはハンターになったのだ。

「腕が鳴るぜ」
「ええ、がんばりましょう!」
 
いつの間にか窓から中を見ていた村長は優しげに微笑んだ。
桃色のレウス
2016年08月16日(火) 21時20分43秒 公開
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■作者からのメッセージ
初めまして、桃色のレウスです。今回初めての投稿になります。読んで、コメントしてくださると嬉し泣きします。どうぞよろしくお願いします。
中学生という職業柄、投稿はまばらになります。しかし、コメントだけはしっかり行うつもりです。
私が尊敬するのは三代目L様、存在X様です。二人のストーリーには本当にわくわくします。
ノベルを出していらっしゃる氷上慧一様の本を読んで、自分でも書いてみたいと思った次第です。
これから、お願いします。

少し書き直しました。

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これって紅竜騎士さんの作品だべや。盗作だべや。削除を求めるべ。 0点 メルテェル ■2016-10-26 19:35 ID : 9Mcs072mPuI
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