英雄の誇り

灼熱のごとき過酷な世界にその人は立っていた。

「む、無理だけはするな……がはっ……そして、い、生きろおおおぉぉぉぉ!」

死傷を負っているのであろう。誰かが叫んでいる。

「父ちゃん!! 死んじゃあダメー!!」
どうやら叫んでいるモノはその人の子供なのであろう。


グアアァアアアア
大地を揺るがすような力強いおたけびがその人の耳に入った。

ふと目の前を見ると、そこには巨大なモンスターが聳え立っていた。

慌てて逃走しようと試みた刹那、その人は襲われた――













****


「ぐあああぁぁぁ!! ハァ、ハァ、ハァ……」

ティスは悲鳴をあげた。首筋にはびっしょりと大汗をかいていた。

「どうかしたか、ティス!!」
ティスの猟団の中の一人、ブロスが俺のおたけびを聞いてとんで来た。

「お、おはよう、ブロス。これは……あはは、ちょっと、わけと言うものがありまして……。うん、なんでもないから平気だよ。」
明らかに戸惑いを隠せないティスであった。

「そ、それよりブロス、今日俺らの猟団に依頼がきていないか村長に聞いてきてくれないか?」

「ああぁ、分かった。結果は後に知らせる。」

基本的にハンターは猟団を形成し依頼をこなす。依頼は各猟団ごとに村長やギルドから」分配される。依頼の難易度は各猟団のギルドカードの材質で決まる。このとき我々のカードの材質は木であった。

「それにしてもさっきのあの夢は何なんだ……実に恐ろしい夢だったな……まぁ、いいっか。」

ティスはでかいタンスの中から愛用の防具「モノブロスシリーズ」を取り出すと、せっせと着替え始めた。

「んしゃ、今日も頑張るか。」
着替えを済ませたティスはブロスからの報告を受け、酒場へ向かった。

ティスたちの猟団は依頼に行く前の集会所としてこの酒場を利用している。
「おはよう。ありゃ、もうみんなお揃いで。」

ティスの猟団は大剣使いのブロスと弓使いのミーナの三人であり、男2人と女1人と、紅一点であった。

「ブロス、今日の依頼は何かあるのか?」
席につきながらティスは言った。

「ほらよ。この紙の中から選んで。」
ブロスはティスに依頼内容の書かれた紙を渡すと、ティスはそれらひとつひとつを眺め始めた。

「……うーん、ドスランポスかな。みんな、いいかな?」

「オッケー。」
「頑張りましょう、ティス。」

こうしてドスランポスを狩ることとなった。




****


ここは[テロス密林]一般的に「密林」と呼ばれている。

あたり一面ジャングルのような地形で覆われていて中央部の広大な洞窟は、開放的で通気性が高いため、すごしやすく、ここをテリトリーとして行動している大型モンスターも多い。

「じゃあ、標的を見つけよう。依頼内容によると……毎日恐ろしくて眠れません。だってさ。さ、みんな行こう。」
ティスたちは川辺へ走り出した。

川辺を過ぎるとあたり一面木々の広がる場所が出てきた。

グゥングゥン
足で地をける音がする。

「ブロス、ミーナ。おそらくブルファンゴが三頭程度いると思う。」
ティスは真っ先に状況把握を把握した。流石、猟団の中のリーダーに相応しい行動である。

「俺はブルファンゴ達を狩っておく。だからお前ら二人はあそこの洞窟の中を捜索していてくれ。何、ブルファンゴ達程度に苦戦などする訳ない。何故かって……とにかく行け!!」

「分かった。無茶だけはするなよ!!」
二人は広大な洞窟へと入っていった。

「……とは言ってもまともに食らったら切り傷なんかでは済まされないな。」
ティスは苦笑いをしながら小声で呟くのだった。


ブルファンゴ三頭はティス目掛け突進してきた。

ティスは攻撃態勢に入った。




****


広大な洞窟は不気味なほど静かであった。

「ティス曰くドスランポスの場所確認、その周辺のモンスターの除去だな。」
ブロスは重い表情で言った。
「そうらしいですわね。とりあえず別の場所を探してみましょう。」

つたを上るとあたり一面が緑色で染まっている湿った場所に出た。

グァアグァア!

「気をつけて、ランポスだわ。」
前方にはランポスが三頭ほどいた。
「嗚呼、ありがとうミーナ。」
ブロスは大剣を手にとりながら言った。

グガアァ!!
ランポスはブロスに攻撃を試みるが、ブロスはあっさりとよけた。

「とりぃやあああぁああぁ!!」
全身に力をこめて、大剣を振り下ろした。

大剣[バスターブレイド]はランポスの頭に命中し、そいつはあっけなく倒れ去った。

その後も二人は協力し合い、それら二頭が二度と鳴くことはなかった。





****


ドスランポスの主な巣となる中央部の広大な洞窟を相変わらず二人は捜索していた。しかし、いくら探すも標的の現れる気配はない。

「いったいどこにいるんだ!」
ブロスは少しいらだっていた。

「洞窟内はすべて捜索しましたからね。」
ミーナも少し困っている表情であった。

ブロスはふとしたことを思う。ティスは今、どこでどうしているのだろうと。

「待て、洞窟内にいないということは逆にいえば洞窟外にいるということになる。つまりドスランポスは今、ティスと接触している可能性もあると言うわけだ。」

「ティスが危ないですわ!! 一刻も速く彼と合流しなければなりませんね。」
ミーナは深刻そうに言うと、ティスと別れた場所に戻ることにした。





****


「……」
ティスは片手剣[アサシンカリンガー]を構えていた。
すでにブルファンゴは、ティスの手によって残り一頭になっていた。

「……!! いまだ。とりぃやあぁああぁ!」
ティスは片手剣を力いっぱい振り下ろした。が、しかし急所を逃しブルファンゴはまだこの地に立っていた。

「くっ。」
ティスはため息をついた。その隙にブルファンゴはティスに突進してきた。

「しまっ……!!」
慌ててティスは盾で身を守った。しかし、その突進の威力はとてもではない。盾だけでは守りきれず彼は吹っ飛ばされた。

慌てて体勢を立て直したティスは再びブルファンゴに攻撃を仕掛けようと試みる。

その後しばらく一進一退が続いていたが、わずかの隙を見計らい、見事ティスはブルファンゴを討ち取った。

ブロス達がランポスを討ち取る前のことであった。

「ハァハァ、やっと片付けられたな。あいつらはどうしているだろう……まさかドスランポスに苦戦しているのか? だったらこちらも合流しなければ。」

ティスが洞窟の中に入ろうとしたときだった。

「!! ……これは……幻か?」





****


「いやな予感がする……」
ブロスは心配な顔をしている。
「男らしくないですわよ。しっかりしなさい!!」
彼はその威勢の良い声に驚いた。まるで頭に活を入れられたような気分であった。

「…………」
ブロスは独り言のようなものを口にした。
「えっ?さっきなんていいましたか?」

「えっ、な、なんでもないから。ははは、うん。それよりも早くティスのところへ言ってあげないと。」
彼の顔は実に真っ赤であった。
「変な人……」
ミーナは笑いながら呟いた。

二人は不安を胸にティスのいるはずの場所へ向かうのだった。





****


果たしてティスはそこにいた。しかし様子が違う。

「おい、ティスどうした!!」
木が吹き飛んでしまいそうな声であった。
「大丈夫? ティス!」

「…………ぅっ……」


ティスは倒れていた。






かの人のように……

天地無双
2009年05月12日(火) 19時58分47秒 公開
■この作品の著作権は天地無双さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はじめまして、天下無双です。今回がはじめての投稿となります。読んでコメントをしていただけたら光栄です。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

突然ですが、ルビってどうやってつけるのでしょうか? wordでルビはできていたものの、貼り付けた途端にきちんとなっておりません。

ほかにも小説を上手く書くヒケツなどありましたら、教えてくださると幸いです。

この作品の感想をお寄せください。
 はじめまして、以前からこのサイトで小説を投稿しているチャーリーです。

 ほかの人たちのコメントと被りますが、まずは小説を書く上での基礎を。

≫その一、『〜た』という表現と使い過ぎない。
 これはあくまで過去形での表現ですので、たまに使程度で良いのです。
 誰かが喋ったなら『〜う』。佇んでいる、そこにいるなら『〜る』。行動を起こすなら『〜す』、『〜する』などの表現がいいでしょう。

≫その二、地文を多めに。
 初心者はよく表現の仕方が足りません。キャラの心理状況、事細かな動きの描写、今現在の状況、および説明などを書くと、自然と描写が多く書け、慣れてくれば自然とそれが出来るようになります。

≫その三、キャラはユニークに……。
 あまりに凄すぎると逆につまらなくなりますが、少し常識を外れた“ような”成長をしたり、性格をしたキャラを書くと、読んでいて楽しく、何より興味をそそります。……まぁ作品に味を出すということです。


 突っ込みたいことはまだありますが、今回はここまでで。
 人の成長は見ていて飽きないので、これからの投稿も頑張ってください。絶対に挫けないで! 次回も期待してるから!
20 チャーリー ■2009-05-19 19:00 ID : /au4C0FQ4gY
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こんばんは、ADYですよっと

さてさて、こちらでは初めまして。ADYと申しますです。
少々長くなりますが、ご了承ください。私のようなコメントなので読み流しても結構ですよw


さて、まずは木曽!(違)
ですが……そこはほかの作者さんからも助言をいただいておりますね、基礎を教えてくれるサイトはいくらでもあります。
ここのHPにもありますので是非是非一読くださいね!

そして次からは私が気になったこと。
私も一度に描く量が非常に少なくて悩みます。一度テミドールさんにも注言を頂きました。
あせらず、じっくりが小説にとって大事です。一度に投稿する量は人それぞれですが、少なすぎると感情移入する前にブチブチ切れてしまって読者としては読みづらく感じてしまいます。
つながりを持たせて、起伏を持たせた量で一話とするとちょうど良いです。
……これ、受け売りですがw

さて、次ですが
『〜〜だ』
『〜〜だ』
『〜〜だ』
と描写が単調になっています。コレだと読むときに違和感を感じたり、んん?と思われてしまいます。
私も文字の変え方で悩んでいるのですが、意識して文末の一文字を考えてみると良いかもしれません。

次ですが……『きりすぎ』です。
描写もちょっと物足りない上に、一つ一つのシーンがアヤフヤな物になっちゃってます。もう少し三人称なら感情表現を人物に盛り込まなければなりませんね。
また、無表情なキャラクターならではの描写の仕方もあるはずです。コレばっかりは人それぞれなので何もいえませんが、最後のシーン。ティスが倒れ付している場面は特にソレが乏しかったように思えます。
あえてやる。と言う方法もありますが、結構な技量を必要としますし、その前の描写の少なさからして温度差で衝撃を表すのは少し難しいです;

まずは語彙を増やし、何でも良いから日常の事を言葉にしてみてはどうでしょうか。私は電車の通り過ぎる様子を表現するのに言葉にして、表せない場合は逆引きを使います。

っと、長くなってしまいましたが次回も楽しみにしてますよ!
では、コレにて失礼しますね(ーωー)
20 ADY ■2009-05-16 20:46 ID : tkrT97GQ31A
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偽りの魔術師…です。はじめまして。ぼくは、とっても初心者です。
なので、皆さんの小説を読み、学習してから投稿しようと思い、まだ未投稿です。

失礼ながら感想を言わせていただきますと、あなたは、投稿をあせりすぎではありませんか?
もっと、何度も読み返して表現をよりよいものにするなど。

しかし、これは初投稿ですよね。ならば、もっとうまくなれるんじゃないでしょうか。

応援しています。



30 偽りの魔術師 ■2009-05-14 22:42 ID : txQI8NZGqXw
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こんにちは。紅竜騎士です。初見ですね、以後よろしくお願いします。

 やはり描写が薄いですね。例えばこの村はどこでしょう。皆さん貴方の作品を見るのは初めてなのですから一言だけでも書いても良いと思いますよ。そして全体的な描写も足りません。自分で小説を書くというのは案外難しいもので、描写はこのくらいで良いかと思ってしまうものです。ですが、これだけは惜しみなくしっかりと行いましょう。
 そして過去形はなるべく控えましょう。せっかくの描写の臨場感が伝わってきません。使うなとは言いませんが、現在形、現在進行形を主として、所々必要と思われる箇所に使いましょう。

 努力が認められますので私は貴方を全力で応援していきます。他の方もそうだとは思いますが、信用を得るためにはそれに見合う働きをしましょう。何が言いたいかというと、他の作者の作品にはコメントをしようということです。貴方もこれだけの方達に読んでいただいているのですから、他の方にもきちんと接した方がいいですよ。

 <RUBY><RB>文字</RB><RP>《</RP><RT>読み仮名</RT><RP>》</RP></RUBY>ルビはこれでふれます。
ではこれで。
10 紅竜騎士 ■2009-05-13 20:32 ID : 9A0d1.S/GRk
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まず、たくさん本を読むこと。また、常にメモ帳等を持ち歩き、目についた風景等で感動するものを、詩的に切り取り書き留めておくことを繰り返し、必要に応じてこれらを情景描写のなかに織り交ぜるようにすることによって、より詳しい表現がかのうになると思います。今後の活躍に期待しています。 20 dolphin ■2009-05-12 23:25 ID : wU1tQ.4L17s
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 どうもはじめまして。 よろしくお願いします。

 私もルビはよく分かりませんがまず基礎です。http://www.asahinet.or.jp/~mi9t-mttn/
↑このサイト見てみてください。参考になると思います。

 内容は良いと思いますので頑張ってください。

 僕もまだ素人ですが書けば上達しました(全然ですが……)とにかく続ける、やれるだけやる。それでいいと思います、現在は。 少しやっていけばまたいいます。

 そのときはそのときでがんばればいいんです。では

 
20 無名の一般人 ■2009-05-12 21:28 ID : BKxfIEf7uBY
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