風を狩る者 No.2
古龍クシャルダオラ  別名 鋼龍

 鋼の鱗、鋼鉄の甲殻を持つことから呼ばれている。
 クシャルダオラの現れる場所には、嵐や吹雪が巻き上がり全てを巻き込み吹き飛ばしていく。
 何の前触れも無い嵐や吹雪などの異常気象は、クシャルダオラが起こしていると言われ、古龍には何か特別な力が宿っていると
まで言われるほどである。







 ヴェルトは洞窟から走り出し東側にある雪原へと足を踏み入れた。



 雪山の山頂付近は三つに分けられている。東方面に広がる、ハンターにとっては動きやすいくらいの広さのある雪原、西方面には、ベースキャンプの残骸が見られる雪原、そして最も高く山頂に位置している雪原。
 これらのエリアは他の洞窟内と比べ、極寒と呼ばれるほどの温度を常に維持している。ホットドリンクの効果も半分ほどにしか
ならず、気をつけていないといつの間にか体温とスタミナがあっという間になくなってしまうほどだ。




 クシャルダオラから放たれる圧迫感に、前へと進もうとする足が少しずつ重くなっていくのに気づく。

 さらに勢いを増し吹き荒れる吹雪はヴェルトを締め付けるように吹きつけ、行く手を阻み続ける。更に、レウスシリーズを装備
しているにもかかわらず、いくつもの方向から流れてくる寒気が体温を徐々に奪っていく。


ー ギャオオオオオオオオ……


 咆哮と共にクシャルダオラの口から”何か”のブレスが発射され、一直線に向かってくる。

 「 くっ!!! 」

 ヴェルトは真っ先に身体を捻りながら横へ回避する。ブレスは勢いを失うことなく元々いた場所を通っていく。

 降り積もっていた雪は跡形も無く吹き飛び大きく‘えぐれて‘、ブレスの通った道筋がはっきりと残っていた。

 目でブレスを追っていたにもかかわらずそれが”何の”ブレスなのか見ることができなかった。視界が悪くて見えなかったのでは無く、物体として捉えることができなかったのである。

 しかし、ヴェルトはそれが”何の”ブレスであるということはすでに知っていた。
 クシャルダオラについての資料を何度も何度も読み返し、実際に狩猟の経験をした者を訪ねてはほんの些細なことも聞き逃すことなく、情報を集め回っていた。

 











 最終的にたどり着いた結論…………











 そう……クシャルダオラが操る力……それは…… ”風” ……








 クシャルダオラは首を大きくしならせると、一気に前方へ突き出し風ブレスを立て続けに二発目、三発目を打ってきた。

 「 おわっ!! 」

 前のめりになりながらも風ブレスを左右に避けつつ、一発一発の間を見逃さず確実に距離を詰め始める。



 いつもよりも積もった雪は進むごとにヴェルトの脚をすくい、いくらか転びそうになる。それでも地面から脚が離れることなく、やっとの思いでクシャルダオラとまともに立ち回れる距離に近づくことができた。しかし、クシャルダオラとの距離が縮まった分、クシャルダオラの巨大さを更に感じることにもなった。



 見上げるような巨大な身体はリオレウスよりも一回りほど大きく、頭部にはモノブロスやディアブロスとは違い小ぶりな角が生えている。それは、小さいながらも強大な力を感じた。

 ほんの少し動いただけで耳には鈍い金属音が、鼻には錆びた金属の異臭が一気に襲い掛かってくる。

 古龍相手に真正面から勝負するわけには行かず、右に半歩移動し背中からティタルニアを抜き出しいつもの構えをする。

 「まずは一撃……はぁぁぁぁあぁぁぁあ!!!」

 
 ティタルニアを背中に担ぎ、身体を大きく反ると背筋、肩、腕、刀身へと溜めた力を伝達させる。狙いは首下、始めの一撃にしてはなかなかの手ごたえを感じた。力も十分に溜め、大剣にもかなりの力が加わったはず。


 










 しかし、実際はクシャルダオラに当たるどころか振り下ろしてもなく、身体が吹き飛ばされ尻餅を着いていた。

 「 これも風か!? 」

 疑問に思っている時間はない。この無防備になっている体勢を立て直し、すぐに動き出さなければ……。

 距離をとるために腰を持ち上げた途端、クシャルダオラが右腕を振り上げなぎ払ってきた。自分の胴体はあるであろう腕の一撃はモロに食らってしまえば致命傷は負いかねない。急いで身体を無理やり転がし、回避しようと抵抗した。
 


 斜め上から降ってきたクシャルダオラの爪が胴部分をかすめ、火竜の鱗が金属の擦れ合う鈍い音といっしょにバラバラに飛び散る。

 クシャルダオラは何事もなかったかのように火竜の鱗を粉々にし、破片を踏みつけている。雪の上に乗っている火竜の鱗は真っ赤に燃えていて、その威力を物語っている。

 足元に転がったおかげで直撃は避けられ、クシャルダオラからは視界から消えたため探すように辺りを見渡している。
 今のうちに、と身体を起こし背後目指して走り出した。

 「‘毒‘に弱いってことも知ってるさ 」

 自信に満ちた言葉と共にポーチの中に手を伸ばし、ある道具を取り出す。

 それを持った右手を勢い良くクシャルダオラに向けて投げ出した。二本の毒投げナイフが風を切り裂きながら右太腿、脇腹をとらえ当たった。

 毒テングダケを良く煮詰めた汁に投げナイフを入れ、毒の成分を染み込ませた簡易的なものである。そのため、ナイフ一つの威力は小さく、大型のモンスターであれば効果がないといってもいいくらいだ。しかし、それに特殊攻撃、状態異常を引き起こすものと組み合わせることで倍の働きをする。
 
 クシャルダオラのように巨大な身体に当てることも難しいことでもなく、さらに効果的である。

 毒投げナイフが当たったことでヴェルトの場所に気づいたクシャルダオラは、後ろ脚に重心を置き、前脚を持ち上げると一瞬でこちらに向き直った。そして、ヴェルトを目掛けて突進をしてきた。


 四本の脚を巧みに使い、一気に勢いに乗る。ある程度の距離をとっていたはずなのにそれは速度の落とさないクシャルダオラの走りにとってはまったく意味のないことだった。


 毒投げナイフは残り三本、ポーチの中にある。
 クシャルダオラはまだ毒状態になっておらず、今だに纏った風で雪を舞い上げながら向かってくる。

 獣のように走る姿は雪獅子にようで、しかしそこから放たれる殺気と威圧感は桁違いで、脚が動かなくなり回避をすることを忘れてしまった。
 我に返ると反応が遅れ、クシャルダオラはすぐ目の前に向かっていた。

 ぎりぎりまで引き付けるとティタルニアを前方に構え、腹で突進を受け止めた。威力を流しきれず体勢が崩れたものの両脚で踏ん張り、倒れるのだけは防ぐことはできた。
 反動をそのまま利用し、大剣を構えなおす。

 狙うべき場所は……クシャルダオラの頭部。

 今まさに攻撃後の風が発生していないのを確認すると、ティタルニアを担ぎ上げそのまま垂直に振り下ろす。

 ー ギャアァァァァァァァァアァァァァァァァ

 ティタルニアによる最重量の一撃は見事にクシャルダオラの顔面をとらえ、むりやり振りぬいた。


「やっと……一撃……だが…………ここからだ!!!」
AIR
2009年06月12日(金) 22時29分16秒 公開
■この作品の著作権はAIRさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 クシャルダオラとの戦闘が始まりました。なかなか戦闘描写に慣れずに苦戦しております。
 
 「やっと書いたっ」 と思っても読み返してみれば、「あれっ??」 という感じです。

 文の量が少なかったり、頭の中でイメージしていたものと違っていたりと色々考えています。
 でも、まだ始まったばかりなので勢いをつけて行きたいと思います。


***コメント返しです***

  *カテドラル様*

 まだまだ未熟なものなので読みにくい場所もあったと思います。
 自分自身あまり国語が得意といえないので(関係ないかもしれませんが……)ここから読みやすい作品を作っていけるように頑張ります。
 
  *天地無双様*

 僕も簡単に殺してしまわぬように気をつけます(汗)
 実際、古龍をたった一人の人間があっとい間に抹殺するのには古龍が弱っているorハンターの力量が恐ろしいほどすごい、位かと思います。
 なんとかヴェルトとクシャルダオラには頑張っていただきたいです。

  *りゅぅのてぇる様*

 ありがとうございます。
 たしか、ほんの4時間差で初投稿の作品が並んだので気になってコメントさせていただきました。
 まだ参考にはならないと思いますが、このテンポを崩さないようにいけたらいいなぁ、などと思います。

  *無名の一般人様*

 投稿も初めてですし他のサイトにも投稿はしていません。でも、どのサイトに投稿しようかは悩みました。
 最終的に投稿の仕方が分かりやすく、ライダーズマニュアルがあったこのサイトを選ばせていただきました。
 ”気になる点”があるそうなのでそれを教えていただけませんか?
 何か間違っていたり、他のライターさんとかぶっている様であれば直したいです。お願いします。

  *オメガ様*

 文量についてですね。部活が忙しくゆっくり書いている時間がないので、今は多く書けません。本当にすみません。
 ただ、物足りなかった部分については時間があるときに付け足してUPしています。あまりそのようなことがないように、できればしていきます。

  *ケルベロス様*

 文の中途半端な改行は工夫ではなく、こちらのミスなんです。パソコンのメモ帳みたいなもの→コピぺ→投稿、これが僕のやり方なのですが、そのままコピペした状態で投稿したためにこのようなことになってしまいました。
 読みづらかったと思います、すみませんでした。
 それと、一文で終わる行についても頑張って統一できるようにしたいと思います。

  *Cielo様*

 始まりはどのようにしようか一番悩んだところです。いきなりモンスター目の前にして山場と迫力で始まるか、それとも前置きを挟み、慎重に始めることで山場を次に持っていくのか、考えれば考えるほど沢山の‘形‘がありました。
 あっさり古龍討伐と行かないよう最後までしっかり練りたいです。

  *鳥羽千歳様*

 親近感があると言われるとなんだかうれしいです。雪山は2(ドス)で初めて登場したステージなので色々と思い出が……。
 そこにクシャルダオラがいたはずなので、ちょっとした思いも寄せたり寄せなかったりしています。
 ヴェルトも雪山を出るのに一ヶ月掛かるかもしれません。少しでも早く投稿したいです。

  *チャーリー様*

 AIR(アイルー)と呼んでもらってもかまいません、僕も深い意味でネームにしているわけではないので、ご自由に呼んで下さい。文章の微妙な区切り、こちらの間違いと見直しをしっかりと行っていなかったせいでの重なりが生んでしまったものです。
 これからはこのようなことが無い様にしていきます。


 コメントを書いてくださった皆様、ありがとうございます。
 

この作品の感想をお寄せください。
 ども、チャーリーです。

 『ホットドリンクの効果も半分ほどにしか』という描写、まだゲームの感覚が残っていると思います。これはあくまで“身体を温める薬”なので、現実的に考えれば効果時間が半減、という意味が異なってきます。

*チャーリー風
 『ここは他と異なり、異常なまでの寒さでホットドリンクを飲んでもなお、いつも以上に寒さが和(やわ)らいでくれはしない。』
 このように、“効果持続時間が半減”という意味ではなく、“効果を感じることの半減”という解釈に置き換えたほうが現実味が出ます。
 実際に“半減”という言葉を使わずとも表現することもできます。あくまで参考までに……。

 内容は、十分いいと思います。私の作品は一話ごとにモンスターを倒しちゃってますからね。(汗)

 次回も期待しています。
30 チャーリー ■2009-06-16 10:38 ID : /au4C0FQ4gY
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