日常〜変化は突然に〜2
―――疲れた 
 昼休み。校舎の屋上で寝転がり、そう思っていた。
 クラスの連中と話を合わせる。それが疲れる。
 小柳哲の名で生を受け十五年、昔からオレはかわっていた。人と価値観が違っていた。周りの子は、虫を育てる為に捕まえる。でも、オレは虫を殺す為に捕まえる。足をもぎ取り、頭を潰す。それがオレの生きがいだった。
 小学生になった頃から、自分は他人に迫害されるようになった。その頃から、人に合わせるようになった。流行りものには全て手を出し、格好は目立つようにと心がけてきた。おかげで今は、迫害されることもなくなった。自分の気持ちを押し殺す。それでいい。それで……
「ホントにそう思ってんの?」
 声がした。思わず起き上がる。辺りを見回すが誰もいない。
「フフ。ここよ」
 校舎への入口に一人の女子生徒が立っていた。
「君は確か…転校生の…」
「初めまして。転校生の姫路桜です」
 そこにいたのは隣のクラスに転校してきた少女だった。
「あ……小柳哲です」
 自己紹介をしようと立ち上がると、彼女の背の高さに驚いた。
 大きいな…オレより十センチは違うんじゃないか……
「私の身長は百七十よ」
「え?」
 じゃぁ、オレより七センチも大きいのか。
「哲君は、百六十三センチなんだ〜」
 なっ…名前で呼ばれた……
「女の子に名前で呼ばれたのは初めてなの?」
 な…なんで
「何で、オレの考えている事が解るんだよ!」
「私は昔から耳が良いの」
「耳が良いからって何で考えてる事が解るんだよ!」
 怖かった。自分の考えている事が見透かされていることが。
「私は……特別だから…」
「特別?」
「あなたもそうでしょ?人と違う価値観で苦労をした。人からハブられないように努力した。でもダメだった。だから今も、虫を殺してるんでしょ?猫を殺してるんでしょ?」
 何故そのことを知っているんだ……
「人と違う考えや力を持っている。それだけの理由で差別される。そんな世の中に嫌気がさしていた。だから私は【Disbramare】に入った」
 ディズ?何だ?
「彼は私を変えてくれた。私の力を必要としてくれた!」
 ヤバイよ。何かヤバイ感じがする…
「今日の午後八時、希望の塔を破壊する」
「は?」
 キーンコーンカーンコーン
 チャイムだ。昼休みが終わった。
 チャイムが鳴り、時計に目をやった一瞬の隙に彼女は消えていた。
「何だったんだ…一体……」



 

やまぴー@うみぴー
2011年11月05日(土) 23時45分04秒 公開
■この作品の著作権はやまぴー@うみぴーさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
2話です。次回、いよいよ物語が急展開します!


※予定です

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どうも始めまして、リストバンドです。

えっと、まず言いたいのは、前作で小谷と天空が主体と書かれているのに、いきなり違うキャラクターが出てきている気がします。
0点 リストバンド ■2011-11-06 23:02 ID : tTi5pf.9CIQ
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