legend of destiny U
ーーー第一章 一話ーーー
 
「チュンチュン」
鳥のさえずりが聞こえる…。

???「う、う〜ん…。」
???「もう朝か。」
「コツン」「コツン」
何かが部屋の窓に当たった。

???「おーい!ユゥーリィ〜!」
ユーリ「!!!」
ユーリ「やっべぇ!今日は検定試験の日だ!!」
ユーリはそう言うと慌てて顔を洗い、家を飛び出した。

ユーリ「わりぃ、カイル!助かったわ。」
カイル「ユーリの事だから、絶対寝坊するんじゃないかと思ってさ!」
 
彼は、「カイル・キャスタニエ」ユーリと同じ魔法学校へ通う17才の少年。
いつもユーリと共に行動している。

ユーリ「うっ…、いや、でも助かった。ありがとな。」
カイル「それより、試験の方は大丈夫そう?」
ユーリ「んぁ?あんなの余裕だって!」
ユーリ「なんだよ、カイル、自信ないのかよ?」
カイル「僕だって、大丈夫さ。いっぱい勉強したし、特訓もしたんだし。」
カイル「多分…大丈夫なはず…さ。」
ユーリ「ははっ。もっと自信持てって。」
ユーリ「お前なら、大丈夫さ。」 
カイル「ユーリ…。うん。ありがとう!」
ユーリ「っか、急ごうぜ。遅刻しちまう。」
カイル「ホントだ!」
 
カイルが時計を見るともう遅刻寸前。
こうして二人は全速力で魔法学校まで走っていった。


ここは首都ケセディアの「フレイル魔法学校」
「ドダダダダッ!!!」
今まさにユーリとカイルが教室に到着した。
「ガラガラァ」
ユーリが勢い良く教室のドアを開ける。

ユーリ「危ねぇー!ギリギリセーフだな、カイル。」
カイル「はぁはぁ、そうだね!」

「ゴン」
ユーリは何者かに頭を叩かれた。
???「何が、ギリギリセーフだな。だ!」
ユーリ「げっ…。髭男爵。」
カイル「ゴア先生…。」

ユーリが言う「髭男爵」とは、ユーリ達のクラスの担任の教官であり、
今回の試験官でもある、元騎士の「ゴア・ハイドベルク」45才である。

ゴア「試験当日は、いつもよりも、1時間早いと言ってあっただろう!」
ユーリ「そうだっけか?」
「ゴツン」
またしてもユーリはげんこつを食らった。
ユーリ「いってぇ!」
ゴア「昨日も言ったはずだがな。」
カイル「すみませんでした。」
ゴア「もうよい。急ぎ競技台の方へ来い。」
カイル「はい!」
ユーリ「へーい。」

ー5分後ー

競技台とは試験の時や模擬戦などの時に使用する場所である。
ここは、特殊な魔法陣によりどれだけの怪我を負っても死なない限りは、
魔法陣から出ると、今負った怪我が無かったことになるという
なんとも羨ましい所である。


ユーリ「んぁ?なんだよ、全然クラスのヤツらいないじゃん。」
ゴア「終わった者から今日は順次帰宅してる。」
ゴア「ユーリ。お前はちっとも人の話を聞いておらんな。」

そしてユーリ達の番が回ってきた。

ゴア「それでは、これよりユーリ・ストライフの試験を始める。」
ゴア「まずは魔法の方から始めよ。」
ユーリ「うっし!」
カイル「ユーリ、頑張って!」
ユーリ「おう。任せとけって。」
ユーリ「まずは、魔法ね、っと。」
そう言うとユーリの足元に魔法陣が浮かび上がった。

そもそも「魔法」とは、誰しもが使えるという訳ではない。
だが人々はそれぞれ「フォルス」という生まれながらに持った力がある。
それをさらに引き出し高めると魔法が使えるという仕組みだ。
ちなみに「フォルス」には色々な属性があり、
「火のフォルス」なら炎の魔法が得意といった具合にそれぞれ得意な属性がある。
この魔法学校は三年通うこととなりユーリ達も三年生である。
ちなみに今回の魔法の試験では「フォルス」の属性を引き出すのが課題である。

ユーリ「はあぁぁぁ!」
ゴア「おお。ユーリは炎の属性か。」
ユーリの魔法陣は赤く輝いていた。

ユーリ「ファイアボール!!」
そう言うと無数の火の玉が飛び出した。
ユーリ「おっし!完璧だな。」
ゴア「うむ。魔法の方は合格だな。次は模擬戦での試験じゃ。」
ゴア「この木人形との模擬戦じゃ。わしが魔法をかけてる。」
ユーリ「いつでもいいぜ。」
ゴア「では、模擬戦、始め!」
ユーリ「速攻で終わらせてやんよ!」
そう言うと、ユーリは勢い良く人形に向かっていった。

「ガキンッガキンッ」
剣と剣が交わる。

ユーリ「髭男爵、魔法強くかけ過ぎじゃないか?」
「ガキン!!」
ユーリ「ぬわっ!」
ユーリは人形に吹き飛ばされた。

ユーリ「このっ。たかが人形のくせに。」
ユーリ「特訓してた技をお見舞してやるか。」
そう言うとユーリは剣を構えた。

ユーリ「蒼破刃!!」
ユーリの剣から斬撃が飛んでいった。
「ザシュウゥ!」
見事人形に命中し人形は動かなくなった。

ゴア「さすがにユーリ。見事だな。」
ユーリ「こんくらい余裕、余裕。」
ゴア「ユーリ・ストライフ。合格。」
ゴア「続いてはカイル・キャスタニエ」
カイル「はいっ!」
ユーリ「カイル、自分に自信持てよ。お前ならやれる。」
カイル「うん。ありがとう!」
ゴア「カイルも同じく魔法から行う。では、始めよ。」
カイル「はぁぁ!!!」

カイルの足元に魔法陣が浮かび上がる。
黄色の光輝く魔法陣。「雷属性」だ。

ユーリ「雷かよ。アイツ凄ぇじゃん。」


カイル「ライトニングウェイブ!!」
そう言うと、球状の電気が集まり激しく膨れ上がった。

ゴア「うむ。見事じゃ。カイルよ、よく雷の属性を引き出したな。」
カイル「はぁはぁ、ありがとうございます!」
ゴア「続いては模擬戦の方を始める。」
カイル「模擬戦か…。」
ユーリ「カイル〜!自信持て!!」
カイル「ユーリ。そうだよね、自信、自信。」
ゴア「では、始め!」

カイル「はぁ!」
人形に向かって走り出すカイル。

「キン、キン」
「ガキン!!ガキン!!」

カイル「!!」
「ザシュッ」
カイル「ぐあぁ。」
人形の剣がカイルを斬った。
一歩下がり、呼吸を整える。

カイル「はぁはぁ。」 
カイル「剣がダメなら魔法で。」
カイル「ライトニングウェイブ!!」

そう叫ぶと無数の電気が人形目掛けて集まり膨れ上がった。
「バチバチチィ!!」
カイル「やったかな…?」
人形は動かなくなっていた。

ゴア「うむ。カイルも見事、合格だな。」
ゴア「二人共、わしの元へ来い。」
ゴアは二人を集めた。
ゴア「二人共、見事であった。明日からは本格的な魔法と模擬戦を行っていく。」
ゴア「今よりも、かなり厳しい授業になるが頑張りなさい。」
ゴア「とにかく、合格、おめでとう。」

こうして試験は終わった。

ユーリ「カイル、凄かったぜ。」
ユーリ「やれば出来るじゃん。」
カイル「ありがとう!ユーリが励ましてくれたお陰だよ。」
カイル「でも、ユーリはやっぱり凄いな。」
ユーリ「あんなの余裕、余裕。物足りないくらいだって。」
カイル「まだ昼前だけどユーリはこの後はどうするの?」
ユーリ「うーん、表通りにでも行くかな。」
ユーリ「ちょっと行きたい所あるし。」
カイル「じゃあ、僕も行っていいかな?」
ユーリ「ああ。いいぜ。」
カイル「やった!」
ユーリ「んじゃ、行きますか。」


こうして試験が終わり二人は街の表通りへ向かっていった。


ー 第一章 一話  完 ー
ポンプ
2013年04月23日(火) 05時44分46秒 公開
■この作品の著作権はポンプさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ポンプです。
本格的に始まってまいりました。
次回には重要なキャラが登場いたします。

コメント頂けたら嬉しいです。

それでわ。

この作品の感想をお寄せください。
あのーそろそろ続きを……… 30 サバイバー ■2013-04-29 19:44 ID : ywdsgNgu94Y
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ぉk!これぐらい長いのがいいでーす。 50 サバイバー ■2013-04-25 17:18 ID : ywdsgNgu94Y
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