〜DEATHGAME〜第一話

「・・・ここは・・・どこだ?」

暗い空間で、目を覚ました青年・・・レイン。
レインが、真っ暗なその空間を歩き回る。
明かりになるものを探して……

「あぁぁ!いて!」
レインが、何かにつまづく。

レインは、つまづいた物を持ち上げ、正体を確認する。
懐中電灯。
早速、明かりをつける。

「何だよ……ここ」
そこには、鼠や鳥の死骸が数え切れないほど転がっている。
見るからに研究室のような、その部屋にたった一つの机の上には、トランシーバーが置かれている。

怪しすぎると思いつつも、トランシーバーの電源をONにする。
何か、分るかもしれないから……
トランシーバーの向こうから、声が聞こえてくる。

「やっと起きたか、レイン。扉を開け、進むのだ」
確かに、部屋の置くにはさび付いた扉があったが、いきなりそんな事を言われて進む奴はいないだろう。
少なくとも何故こんなところにいるのか分るまで……

「ちょっと待て、あんたは誰だ?何故俺はこんなとこにいる?」

「クリアできたらまた話そう」

……カチッ……
相手のトランシーバーの電源が切られた。
クリア?ゲームでもしているつもりか?……そんな事を思いつつ、先に進むべきか考える。

部屋をさまようレイン。
20分ほど歩き回っていた時、机の右側にトンカチが置いてあることに気づく。

トンカチがあれば、襲われても何とかやり過ごせるかもしれない。
レインは、トンカチを片手に構えながら、扉を押す。

「!」

ここは……住宅街?
外に出たのだろうか?そうだとしても、レインの知らない街だ。帰り方も分らないし、街の構造すら分らない。

すると、またさっきの男の声がしてきた。

「後4時間でこの街に獰猛な生物、4種類5匹ずつ放たれる。1種類の5匹の内1匹は鍵を持っている。ここから抜け出すには4つの鍵全てが必要だ」

獰猛な生物?匹というほどなのだろうか?……そんな事はどうでもいい。いまは、武器になるものを探さなければ。

だが、一言に武器といっても、都合の良いとこに落ちているわけが無いし、どこにどんな施設や、店があるのかも分らない。

とにかく歩き回るしかないのだ。
まず、最初に発見したのは図書館、人がいるかもしれない。人がいればこの街のどこに何があるのか聞けるだろう。

自動ドアがゆっくりと開く。
だがそこには人がいなかった……だがその代わりに入り口付近に銃が落ちている。

レインが銃を拾い、弾数を確認する。銃には10弾入っていたが、これだけでは鍵
を全部見つけることはできないだろう。

「何故こんなところに銃が?」
武器があったから拾っておいたが、考えてみればおかしいじゃないか。
でも、そんな事をいつまで考えても、仕方が無い。

レインは階段を上り、奥へ進む。
「な!」

そこにいたのは人間……いや、人間に似ている何かがそこにいた。
確かに人型ではあったが、全身が血に染まったように真赤で、青い下が、口に入りきらず胸のところまでたれている。右のまぶたが腫れ上がり、尻尾が生え、長い爪で壁にしがみついている。

その『異形の者』は、まだ、レインに気付いていないようだ。
レインは、急いで階段に向かう。
だが、階段にも異形の者はいた。
4足歩行で、階段を上ってくる。
しかも、こいつはレインの存在に気付いているようだ。

「やばい……」
こいつらが、猛獣なのだろうか?だとしたら何故、この時間にいるのだろうか?まだ4時間たっていない気がするのは、気のせいなのだろうか。

いや、それよりこいつらから逃げるのが先だ。
だが、1階への道はこの階段だけで、非常用の階段もないらしい。

逃げ道の階段も、ふさがれている。
さらに、もう異形の者が階段を上り終え、すでに、こちらに向かっている。

このままでは、殺されてしまう気がする。
そうだ!さっき、銃を拾ったじゃないか!

異形の者がレインに飛びつく。
レインが、銃を構え、引き金を引く。
1発の銃弾が、飛び掛ろうとした異形の者の、まるだしになっている腹部を貫く。

そして、異形の者が悲鳴をあげ、倒れる。
だが、今の銃声で、もう片方がレインに気付いた。

レインはまた銃の引き金を引く。
だが、銃弾は見事に外れた。

異形の者は、素早くレインに近づき、長い爪を振り上げる。
レインは再度引き金を引く。

銃弾は、振り上げられたその腕を貫いた。
異形の者が、体勢をくずす。

レインが、異型の者に止めを刺すように頭を、トンカチで思い切り叩いた。
異形の者は、意外とやわらかく、トンカチで叩いた瞬間に砕けた。
その時、またあの男の声がした。

「4時間たった……ゲームスタートだ。なお、このゲームには猛獣を守る人型の生物、『守護者』がいる。やつらには気をつけろ」
守護者とは、さっきの異形の者のことだろう。

それより、もう4時間たったのか?早すぎるだろう。まぁ、文句を言っても仕方が無い。とにかく猛獣を探そう。



フルフル男
2008年04月12日(土) 11時03分21秒 公開
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■作者からのメッセージ
久しぶりに小説を書いて見ました。
主人公が謎の男に出される課題をクリアして進んでいくような、お話です。

この作品の感想をお寄せください。
非常に面白いけどスペースを抜いて四十九行目の舌が下になってます。
変換ミスはよくあることです。
でもストーリー的にも描写の書き方にも工夫がされていて非常にいいと思います。
40 リオ夫婦 ■2009-02-27 22:01 ID : TqCyT3dSsms
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これはアレだな、ゲーム世界だな。と思った。
そこらへんに銃が落ちてる所とか、時間の進みが早い所とか。さて、この後はどうなるのかな♪
30  凰雅沙雀 ■2008-04-14 23:05 ID : FZ8c8JjDD8U
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