サモナーズストーリー プロローグ
この世界には『魔法』と呼ばれる概念が存在する。
それも一部の人間だけではなく、努力や鍛錬しだいでだれでも使えるという世界
これはそこに住む少年たちの物語


ガラガラガラと音をたてて馬車が走り、街のバス停のような所に着くと停まる。
それに乗っていた黒色の髪の少年は大きなカバンを背負いながら馬車から降り、街に入って行った。

「・・・えーっと学校は、どっちだ?」

少年は頬をかきながら考え、歩き出す。彼の名はセント、ここにある魔法学園『レイツェン』に転校することになったのだ。
とりあえず色々歩き回ってはみたものの結局分からず、街の人に聞いてようやく学校についた。

「あのー、転校生のセント・プレアスですが」

「あ、はいはい、資料は?」

「親から預かったのはこれだけですが」

それからしばらくセントと事務員の話が続き、太陽が西の空に傾き始めた頃ようやく話が終わり、セントはこの学校の寮への地図を貰った。

「結構遠いな・・・夜までにつくかな・・・」

セントは地図を見ながら呟き、歩き出した。
それからしばらく歩き続け、日が暮れた頃にようやく洋館を思わせる館が見えた。「ようやくついた」とセントは安堵の息を吐くとドアを開ける

「すいませーん、入寮者ですが・・・誰も居ないか」

ま、当たり前だよな、そう考えながらセントは中に入る。もう夜中だ、さすがに皆眠っているだろう。セントはそう一人で納得すると寮の中に入る。いざとなりゃこの広間にあるソファで寝て明日ちゃんと確認すればいい。そう完結するとずっと背負っていたカバンをソファの横に降ろし、軽く伸びをするが、それと同時に背中に気配を感じて素早く横に転がり、同時に後ろを見る。そこには太刀を構えている水色の少女の姿があった

「ど、泥棒!?泥棒なのね!」

「はぁ!?ちょっと待て!」

少女の言葉にセントは驚くが、少女は問答無用の様子で太刀を振ってきて、セントも止むを得ないなと呟いて拳を構えた。なるべく無駄な動きをせずに太刀を見切って近づき、左手で少女の腕を掴むと同時に右手で手刀を当てて叩き落とし、それから落ち着かせるように言う

「落ち着いてくれ、俺はここに入寮する予定のセント・プレアスってんだ。」

「・・・え、入寮者?」

セントの言葉に少女は目をパチクリさせるとどこからか「そうだぞ」と声が聞こえ、そっちを向くと銀髪のセントより少し年上っぽい男性が現れた

「セント・プレアス君だね、待っていたよ。俺は三年のレン・ベルディスだ」

「・・・待ってたんならなんで出てこないんすか?」

レンの言葉にセントが返すとレンはそーっと目線をずらした、それを見てまさかと言う調子でセントが聞く

「先輩、涎の筋が見えてますが寝てたんですか?」

「なっそんな馬鹿な、ちゃんと消したはず・・・あ」

「寝てたんですね」

セントの言葉にレンが驚くとセントはやっぱりという調子で言う、これは簡単、鎌をかけたのだ。レンは「ははは」、と空笑いをすると慌てた様子で太刀を振り回してきた少女を指差す

「えーっとだ、彼女は君と同じ二年、リムス・ルメウスだ。分からないことは彼女に聞くといい」

レンの言葉にリムスは慌てて頭を下げるとセントに向かって言う

「え、えっと、さっきはごめん、泥棒と勘違いしちゃって」

「・・・別にいいよ、それより先輩、部屋どこっすか?俺寝たいです」

セントはリムスの言葉にさらりと返すとレンに向かって聞き、レンは「ああ」と頷いて言う

「二階の奥の部屋、リムスに案内してもらうといい。荷物も届いているからな、リムス、頼んだぞ」

「はい」

リムスはレンの言葉に頷くとセントを連れて歩き出した。その道中でセントが聞く

「ところでさ、なんでここって男と女が一緒に居るんだ?」

「ああ、ここの精霊使いの授業はチーム制でね、そのチームで一つの寮を使うことになってるの。ここのリーダーはさっきのレン先輩で、他に男子が一人に女子が一人いるわ」

「ってことは俺込みで男三人に女二人か」

「ええ、転校生はその都度ランダムに振り分けられることになってるの、っとあなたの部屋はここよ」

リムスが説明しているとセントの部屋に着き、セントが部屋に入るとリムスが言う

「明日は精霊使いの実技授業だからね、召喚腕輪はあるでしょ?」

「ああ、心配しなくっても荷物の中に間違いなく入ってる、心配しないでくれ」

「分かった、それじゃお休み」

「ああ」

セントはリムスにそう返すとドアを閉めて鍵をかけ、カバンを届けられていた荷物と一緒に置くとベッドにダイブし、すぐに眠り始めた。
カイナ
2008年04月27日(日) 22時18分49秒 公開
■この作品の著作権はカイナさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
小説を書くにおいて分かったことがあります。オリジナル小説って結構難しいし、僕はロボットとか科学的なものを題材にした小説は向きません、武装を調べるだけでめんどくなってきます。
でもこういう魔法系なら不可思議なものだから想像力をフル活用できるし結構やりやすいです。関係ないですね、ごめんなさい。
てなわけで起動人形は恐らく打ち切りです。フロンティアストーリーといい本当に申し訳ございません。多分文句言われても返す言葉がありません、理不尽すぎたら別ですが。

ちなみにこの小説において今回の話に出て来た用語を一応説明します。

召喚腕輪:この世界では魔法を使う際に己の心に存在すると言われる精霊と呼ばれるものを召喚し、それの力を借りて魔法を使う。
普通精霊を使えるのは一人につき一体だが、ごく稀に相当な実力を持つ魔術師が多数の精霊を使役できるらしい。
ちなみに精霊は炎や風などの属性を持ち、また姿も人型から獣型まで色々である。

一応簡単な設定はこんなものです、質問あったらとりあえず受け付けます、ちゃんと返せるか自信ないですが・・・
今回は頑張りたいのでよろしくお願いします、三度目の正直と言い聞かせて頑張ります(意味違いますが)。

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新作!
さて、第一印象は『急いでる?』です。なんだか展開が早い気もします。ただ、『泥棒なのね!』の部分は展開が速かったからこそ面白かったです。
魔法は結構自由に出来ますからね……、でも、結構設定を細かくしないと矛盾が生まれてしまいます………、気をつけましょう(体験談)
30  凰雅沙雀 ■2008-04-28 10:16 ID : FZ8c8JjDD8U
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ども、オリジナルの方でもよろしくです
まずは始まりですね、これからの展開に期待です
30 mlk ■2008-04-27 23:36 ID : NJES.RZZwZg
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