サモナーズストーリー 1章
太陽が昇り始め、壁に掛けられた時計が7の文字を刻んだ辺り、部屋の主は目を覚まして起き上がった。彼の名はセント、この寮を管理する学校の転校生だ。
セントは起き上がると軽く屈伸などで体の調子を確かめてからカバンを開き、中に入っていたナックルとレガースを取り出して自分に取り付け、軽く慣らした。
この世界では精霊を使役することが出来るが、自分でも戦う力を持たなければいけない。よって剣や斧、槍や弓など色々な武器が存在するが彼の武器は己の拳、下手に自分の体以外の物を武器とするよりは自分自身である拳と足を使う、これが彼の意見だ。
慣らしを終え、準備を終わらせるとセントは部屋から出て入り口近くの広間へ向かう。そこには既に人が四人揃っていた

「よお、お前が転校生か。俺はロイ、ロイ・スウィンだ。よろしく」

「私はエレナ、エレナ・スウィンです」

緑髪の少年とその隣に座っている金髪の少女が挨拶するとセントが不思議そうに聞く

「スウィンってことは兄妹なのか?それにしては似てない気が」

その言葉に二人は少し噴き出し、セントが首を傾げると近くに座っていたリムスが言う

「惜しいわね、この二人は兄妹じゃなくって・・・」

「すでに結婚しているんだ」

リムスが言い終える前ににやにやと笑いながら後ろからレンが言い、それにセントが「マジですか!?」と叫ぶとロイとエレナが同時に叫ぶ

「んなわきゃねえだろ!俺とエレナはただの従兄妹だ!!」
「レン先輩!変なこと言わないで下さい!!」

その言葉と共に感じられる気迫をレンは「ははは」と軽く笑って受け流しながらセントに言う

「それより準備は出来てるか?今日は一日精霊使いの実技テストになってるからな」

「ええ、一応リムスさんに簡単に聞いたので」

セントはレンの言葉にはっきりそう返すとレンはほう、と微笑んで返し、机を見て言う

「それじゃご飯にしようか、今日は実技テストだから体力をつけるために肉を多く用意したぞ」

その言葉に皆(特にセントとロイ)は嬉しそうに頷き、皆座ってから一斉に食べ始めた。
それから食べ終えた後全員の武器や道具を確認した後みんな揃って学校に行った。ちなみにセントは使えなかったが(営業時間外のため)ここまでは馬車が出ているためセントが数時間かけた道のりを数十分で移動できる、その馬車の中ではしばらく雑談が続いた

「ところで、ロイ君やエレナさん、レン先輩ってどんな武器をつかうんですか?リムスさんは太刀だと昨日身をもって知りましたが。」

セントの最後の言葉にリムスは沈黙し、レンは苦笑し、ロイとエレナは全く同じ動作で首を傾げた。がその後レンから言う

「俺は弓を使っての遠距離攻撃を得意としている」

「俺はナイフだ、スピードを生かしてたたっ斬る。それと君付けしなくてもいいぜ」

ロイが鞘に収めている二本のナイフを弄びながら答えるとエレナがその後に続いて言う

「私はこれ、槍を使ってます。あと私も呼び捨てで構いませんよ」

「私も呼び捨てでいいよ、さん付けされたら逆に違和感あるし」

エレナの後にリムスが少し苦笑しながら言い、セントがそれに頷いたところに丁度学校に着き、レンが先頭に立って歩き、セントたちもその後に続いて歩き出した。
それから他のチームと同じように並び、チャイムが鳴る、と前にあった朝礼台らしきところに女の先生が上がり、メガホンらしきものを持って声を出す

「それでは、精霊使い実技チームテストを開始します!ルールは簡単、今から郊外にある裏山に行ってもらい、そこに住む魔物を倒せばオッケー。分かってると思うけど裏山の魔物は結構強いからチームで協力しないと勝てないわよ」

それからその先生が裏山に続くらしい門に向けて指を振るとそれが簡単に開き、それから先生が息を吸って叫ぶ

「それじゃ、テストスタート!!!」

それから一チームずつ門から出て行った。どうやら前もって決められているらしく順番に争わずに出て行き、セント達もレンに着いていくように門から出て行った。それから五分ほど歩くと裏山に着き、それからセントが尋ねる

「ところで、魔物を倒してもどうやって調べるんですか?」

「ふっ、そのためにこいつがいるんだよ」

セントの言葉にレンが返すと頭上にふわふわと妖精のようなものが飛んでいることに気付き、セントが「まさか」と返すとレンがそのまさかと返す

「先生の使役する精霊さ、でも俺達はまだいい。運が悪ければ血の気の多い奴が見張りについて一緒に試験乱入の騒ぎになったからな」

レンが最後の方はため息をつきながら答える、これは経験者の言葉だ。セントはそれを察すると慌てて話題を逸らす

「えっと、ところで魔物がどこに巣くってるかとか知ってますか?」

「いやそれも試験のうち、使役精霊の策敵能力を試すことも出来る。とはいえ・・・」

レンはそこまで言うと頭を押さえる。実は彼らのチームに策敵能力を持つ精霊を使役できる人はいない、がセントはちょっと考えると言う

「俺の精霊なら、もしかしたら出来るかもしれません」

「本当か!?」

その言葉にレンが言うとセントは頷いてカバンの中に入れておいた召喚腕輪を右手にはめ、精神を集中し始める。

「・・・いでよ、我が心に存在し獣人、ワルフ!」

セントが最後に右腕を前に突き出すと右手より少し前辺りから光が発され、そこから狼の耳と尻尾のついた人間、俗に言う人狼が現れる。そいつは静かに眼を開けるとセントに聞く

『呼んだか?セント』

「ああ、悪いけど魔物の居る場所とか分かんねえか?」

『俺を犬扱いするなって・・・分ぁったよ』

ワルフは嫌そうに言うが最後にそう呟くとフンフンと鼻を鳴らして匂いを探り、歩き出した。セントはそれに続くように歩き、レン達もその後に続いて歩き出した。
カイナ
2008年04月29日(火) 20時07分10秒 公開
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■作者からのメッセージ
あぁ〜、モンハンといいこいつといい別板で書いてる小説といい流れはあるのに小説で表現できない・・・

mlkさん
よろしくお願いします。期待ですか、あまりしないで下さい。モンハンとかに比べて自信ないので。

凰雅沙雀さん
急いでるというか、オリジナルは加減が分からないんです。こいつも急いでる感がある気がしますし。
矛盾ですか、まあ気をつけますよ、出来る限りはね。

それでは、次回から戦闘スタートなので、よろしくお願いします。

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凰雅です。
いや、今回は別に急いでる。とは感じませんでしたよ。
早速戦闘が来そうですね!さぁて、武器もありますが、魔法。どうなるかな♪
私は特に問題ないと思ってますが、私の小説にも『レン』って居るんですよね……、まぁ、変える必要はありませんよね?
30  風斬疾風 ■2008-04-30 20:10 ID : FZ8c8JjDD8U
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>>あぁ〜、モンハンといいこいつといい別板で書いてる小説といい流れはあるのに小説で表現できない・・・

あるあるw
頭の中とかだと話は出来てるんだけど上手に表現出来ないだよね・・・

話自体の面白さも作者の腕によるけど、頭の中で作った話をどれだけ忠実に表現できるかってのも凄く重要になりますね。
書いてる内に慣れるのかな?俺は書き始めてそろそろ一年になるけれど・・・全然上達してる気がしない。
30 mlk ■2008-04-30 20:03 ID : NJES.RZZwZg
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