xavier #1 |
突然親父が真剣な声になった事に戸惑いつつも、「大事な話」に耳を傾けようとしたその瞬間だった。 俺のアパートの、ちょうど正面玄関のところにチンピラ達が群がってきていたのだ。 しかも運の悪い事に、俺の通ってる大学の連中だった。 「目を付けられたらもう大学は自主休講しかない」と評判のチンピラ集団が、何故あんなところに群がっているのかは直ぐにわかった。 玄関のドアのところ・・・追い詰められている人間がいた。 見た所は俺と同じ歳、いや、それ以下かもしれない。 しかもそれは女二人だった。 「悪い親父、後で掛けなおしてくれ。」 「何だって?何が・・・」 「悪い、今は無理だ。」 強引に携帯の「通話終了」のボタンを叩くと、その連中のところに向かっていった。 目的はただ一つ、あいつらを助ける事だ。 「おいおい姉ちゃん、ぶつかっといてそいつはねえぜ。ほら、とっとと金出しな。」 「嫌よ!これしか持ってないの!」 どうやら喧騒の理由は(喧騒と呼べるかも微妙だが)ただチンピラ連中にぶつかっただけらしい。 だが、タチが悪い。奴らはその気になれば強姦も平気でするような連中なのだ。 全く困ったもんだ。 「信じられねえな・・・おい、こいつらの身ぐるみ全部剥がしちまえ!」 「あ、ちょ!何すんのよ!触らないでよ!」 まずい事になってきたな・・・ そろそろ作戦開始だ。 「おっと、すみませんね。」 なるべく見てみぬフリするような“フリ”をして、あくまでもただの大学生の顔をして通っていく。 玄関に入りたいのだが邪魔していて通れない、目でそうリーダー格の男に告げてみる。 「・・・何見てやがる、とっとと入りな。」 仲間に目配せをして、俺のために僅かな通れるスペースを作ってくれた。 ありがたくそのスペースを通ろうとしたとき、抵抗していた女と目が合った。 金髪で、ポニーテールにしているその女の子は美少女といってもおかしくは無いほどだった。 悲痛に助けを求める目の声が届いてくる。 俺はそれを力強い瞬きで返すと、また申し訳無さそうにスペースを歩き始めた。 そして・・・リーダー格の人間に自然に近づくと、軽く足で脛の辺りを蹴飛ばした。 「・・・!てめっ、今、蹴りやがったな!」 「ああ、すみませんね。つい。」 どちらかといえば皮肉めいた笑顔で返すと、相手は遂にキレたようだ。 「おい、ナメてんじゃねえぞ。俺達を誰だと思ってやがる」 「・・・」 少し考え込むフリをして、それから言ってみた。 「全然勉強も恋もうまくいかなくて、自暴自棄で強姦しまくる大学生?」 「「「ギャングだよ!!!」」」 拳を振り上げ、こちらに向かってくるチンピラ達。 俺はそれを嘲笑して、それから言った。 「へえ、そいつは怖い!!」 |
setsunaZERO
2007年12月01日(土) 21時10分08秒 公開 ■この作品の著作権はsetsunaZEROさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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面白くなってきたな。 |
30点 | 凰雅沙雀 | ■2007-12-02 10:50 | ID : FZ8c8JjDD8U | |
戦闘も普通の描写も書けない俺はこっちに来る事はないだろうな | 30点 | メタルギルド | ■2007-12-01 21:40 | ID : tKEu9rXVuys | |
いろいろと、面白いもの書いていいなー。俺も書こうかなあ | 30点 | トペンマギント | ■2007-12-01 21:24 | ID : yWmCa3QSHrc | |
こっちは自由に小説を投稿できるようですね! 戦闘以外の小説も書いてみようかな。。。。? |
30点 | Cielo | ■2007-12-01 21:21 | ID : .iLDDVi5uBA | |
とうとう光臨しなさったかwww 俺もこっちの方でなんか書いてみようかな |
30点 | mlk | ■2007-12-01 21:14 | ID : d.7U/WGmmcQ | |
合計 | 150点 |