xavier #2
まず一人が先駆けのつもりなのか、誰よりも早く電光石火で右ストレートを繰り出してくる。

俺はそれを軽く身を捻らせて避け、右フックを相手の腹に入れ込んだ。

基本のテクニックではあるが、汎用性は非常に高い技である。

「ぐぇふっ!?」

まず一人―――隙をついて攻撃しようとしたつもりの男の拳を左手で掴んで、回転をかける。

力を逆方向に回して、圧力を打ち消すテクニックだ。

突然の出来事に不意を突かれ、相手は大層驚いたようだった。
がら空きの相手の腹に右ストレートをぶちこみ、動かなくなった。

「てめぇ!」

早くもリーダー格の男が、こちらに拳を振り上げて向かってきた。

部下がやられて感情的になったのだろう、隙だらけの体で特攻を試みたようだった。
がら空きの全身をさらけ出して向かってくる姿は、滑稽な闘牛にそっくりだった。

「うらぁぁぁぁああああ!!」

鬨の声を上げて、突っ込んできた。
俺は相手の目の前に拳を突き出して驚かした後、右足で軽く腹を蹴飛ばしてやった。

そうして無抵抗になった顎に鉄拳をぶち込むと、男は静かに倒れていった。

「な、何だって!?あの、あの轟さんが、やられるなんて・・・」

後のチンピラ共も主を失って、半ばパニック気味だった。

そうして出した結論は「一斉で特攻」らしかった。

「うぉぉぉぉおおおお!!」

二人が同時にかかってきた。
まず一人の腹を手刀で突き、それから体を回転させた。

左腕で相手の両手を封じて、右腕を首に回す。
すると案の定、もう一人がその事態に気付かずに殴りかかってきた。

今掴んでいる方の顔に、殴りかかってきた男の鉄拳が降り注いだ。

それを「相手が俺を殴った」と完全に思い込んでしまったのだろう。

「てめぇ、この野郎!!」

そう叫び、殴った男の顔に右ストレートをぶつけた。

「落ち着けこの野郎!」

とは言ってるものの、声色からして冷静な気もせず、逆に殴り返してしまった。

するとみるみるうちに戦火が各所に広がっていき、全体の殴り合いになってしまった。

チンピラ達は目的など忘れて、ただ自らの感情の向くまま殴りあうようになった。

「こっちだ!」

俺は女二人にそうアドバイスしてやる。
玄関の近く・・・郵便受けが集まっているロビーのような場所に素早く移動して、手を振ってやった。

二人がそれに気付くと、助けを求めるように、暴力からの火の手を逃れてこちらに来た。

「ふう、ありがとうございました。」
setsunaZERO
2007年12月01日(土) 22時31分17秒 公開
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■作者からのメッセージ
連続投稿はこれで勘弁。
レス返しはまた後日

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こちらも面白いな
暴力団がらみか?
30 ZTH ■2007-12-02 15:09 ID : d8l1MhGI.wI
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面白いね。
この後どうなるかな。
0点  凰雅沙雀 ■2007-12-02 10:51 ID : FZ8c8JjDD8U
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あ〜俺にもこれだけできる文才があればな〜
モンハン小説の方も楽しみにしてますので。
30 カイナ ■2007-12-02 09:15 ID : w9eT4U6tOE2
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俺もこれだけできたらな〜。
連続投稿お疲れ!
30 トペンマギント ■2007-12-01 23:00 ID : yWmCa3QSHrc
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連続投稿おつかれさまですww 30 メタルギルド ■2007-12-01 22:39 ID : tKEu9rXVuys
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