カナシキ運命ノナガレ |
これは・・・・・記憶・・・・・・・なのか・・・・? ――――「お前役立たずなんだから今日中にコレくらい仕上げろよ?」 ――「ゴメン私、急いでるからさ」 ――「お前はいつまで立っても役立たずだな・・・・」 ―――「使えねえやつはいらねえんだよ!」 苦しい、言葉の一つ一つが苦しい 砕けたガラスのように苦しい 記憶の中のコトバ達が無情にも突き刺さる 誰も自分を認めてはくれない 「役立たず」 俺には名前がある、しかし周りのやつらは俺をこう呼ぶんだ 俺にはれっきとした立派な名前が―――― ―――名前が――― ―――俺は・・・・・誰だ ・・・・俺は・・・・俺は誰だ? 名前が・・・・思い出せない・・・・・・? オレハダレダ?オレハダレダ――― 何度やっても求める答えは出てこない、そして――― どこからか急に自分の周りに人、会社の同僚達が集まり始めた。俺を囲むように、俺に逃げ場を与えさせないかのように人々の壁が視界を埋め尽くした。皆見下したような目で俺のことを何も言わずに見つめ、そして一人が口を開いた――― 「ゴミは消えちまえよ」 その一言に触発されたかのように同僚達が一斉に口を開く 「キエロ」 「キエロ」 「イナクナレ」 痛い、頭が痛い・・・・・それよりも『心』が痛い。怒りが、されどもその怒りをヤツらに向ける事が出来ない。 なんで? ――――臆病だからさ 俺はもう耳を押さえ、うずくまるしかなかった。この悪夢が早く終わる事を祈りながら・・・・・・。 「・・・・・・めろ、やめろ」 微かなコトバは空しく宙に呑まれてゆく。 ダメだ、悔しい、やめてくれ、たのむよ・・・・・ 「やめろ!やめろ!やめろおおオオオオオオ!!!!」 涙がポロポロと零れ落ち、大音量の声が辺りに響いたとき―― ―――気がつくと、朝になっていた。 まだ太陽が昇りきっていない部屋に、自分の荒い息遣いだけが木霊している 「夢・・・・・・か・・・・・?」 開ききった目にはいつもと変わらない古ぼけた白色の天井が、いつもと変わらない無表情な視線を俺に向けていた。 お気に入りのシーツは先刻の悪夢のせいで高まった発汗作用のお陰でグッショリとしている。今さっき見た夢はあたかも何年も前に見た光景のように、されども忘れる事が出来ないような後味の悪いむかつきを覚えさせてくれる物だった。 視線を右に移す――デジタル時計の針は機械的に『五時二十五分』とだけさしていた。会社に行くためにここを出る時間にはまだ四十分以上が残っている。 今度はベッドの脇に視線を流した、すると見慣れない幾つかのダンボールが俺の所有物をすっかり包み込み、満足げに陳列されていた。多分、俺の彼女の仕業であろう・・・・。 現在、といっても昨日だが喧嘩をしたばかり・・・・まあ、嫌がらせだろうな しかしあの夢―――あの夢での事は強ち間違ってはいなかった。 ベッドから体を起こし、着ていたシャツを脱ぎ捨てながら入社してからの三年間にあった出来事――単刀直入にいうと仕事での『イジメ』である――が今日も行われることにウンザリしながら、男はまた『イジメ』の現場である会社へと足を向ける支度を始めたのであった・・・。 前半END |
メタルギルド
2007年12月03日(月) 17時14分26秒 公開 ■この作品の著作権はメタルギルドさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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背景が無いwwま、いいけど。w どんなものか見てみたかったですね。背景。 |
30点 | ケルベロス | ■2007-12-06 14:31 | ID : If3qiekeSNg | |
大人の世界ってこえーw |
40点 | トペンマギント | ■2007-12-03 22:09 | ID : yWmCa3QSHrc | |
ていうかガチャピンって何? ロスプラの方じゃないよね |
40点 | setsunaZERO | ■2007-12-03 21:13 | ID : 1o58cQfvDt2 | |
わくわくなのです。 待ってまーす。 |
40点 | 凰雅沙雀 | ■2007-12-03 18:36 | ID : FZ8c8JjDD8U | |
見にくい | 0点 | ゴンザレス | ■2007-12-03 14:47 | ID : kVGfBNvSt.c | |
背景GJ!!! | 50点 | ZTH | ■2007-12-02 22:33 | ID : d8l1MhGI.wI | |
合計 | 200点 |