サモナーズストーリー 3章
精霊使いの試験中、人の悲鳴が聞こえてきたセント達はその絶叫の方に走っていく。そこには別のチームが傷だらけの状態で巨大な魔物と戦っている姿があった。
しかしその姿はここらへんでは異形。ここらへんの魔物は熊や狼が魔物化したものなのにその魔物は花から多数の先の尖った触手、例えるならラフレシアの花の真ん中に牙が生え、下には巨大な茎、更に茎から尖った触手が生えていると言う表現がしっくりくる。
そいつと対峙していた生徒はやられかけで、それを確認したセントは素早く指示をする

「俺とワルフで足止めするからロイはティーグルで救出を、レン先輩は援護をお願いします!」

「ちょ、ちょっと待ってよ、危険だって!」

セントの言葉にリムスが言うがセントは不敵に微笑んで言う

「心配ないよ。ワルフ、本気出しちゃって」

「当然だ・・・ウオオォォォン」

セントの言葉にワルフは頷くと息を吸って思いっきり遠吠えをする、とワルフの姿が少しずつ変わっていき、僅か数秒で完全な狼の姿に変わる。それを見て皆が驚くとセントが説明する

「こいつがワルフ本気モード、獣化だ。その実力は人狼状態の数倍。疲れるから三十分が限度なのが玉にキズだけど、俺達の周りではこの状態のワルフに十分持ちこたえるやつがいなかったぜ。んじゃ救出は任せました」

セントはそう言うと今まで以上のスピードで走り出した。ロイには及ばないもののそのスピードは段違い。獣化のおかげでマスターであるセントも能力アップしたのだろう。
レンはアレスを召喚するとアレスと共に炎と弓で援護を始め、リムスとロイ、ティーグルは救出を、エレナはユニスを呼び出して怪我人の治療を始めた。

「キシャアアァァァ」

ラフレシアン(仮名)は触手を伸ばして攻撃してくるがセントとワルフは簡単にかわして近づき、ワルフは花びらに牙をたてて食いちぎり、セントは茎に拳の連打を与える。
しかし効果は無いらしくラフレシアンは雄叫びを上げると触手を振り回して二人(一人と一匹)を追い払う。

「とっとっと、どういうことだ?」
『ペッペッ、あいつの花びら変な味がする・・・』

二人は距離を取って考えるが後ろからレンが叫んできた

「炎だ!やつは炎に弱いはずだ!アレスが炎を撃つから、その場所が燃えている間に攻撃してみてくれ!」

「了解しました!!」

レンの言葉にセントは振り返って叫び、もう一度触手攻撃をかわして近づき、アレスの打ち込んだ炎の球が着弾したと同時にその部分を思いっきり殴りつける。

「でやああぁぁぁ!!!」

「ギャアァァ!」

すると僅かだがラフレシアンが苦しみ、セントはしめたともう一発同じ場所に空中回し蹴りを打ち込む。運動能力が常人離れしている今の彼だからこその技だ。やはり効果があり、ラフレシアンは絶叫を上げて振り払う、が見た感じではそこまでダメージを受けている様子も無く、セントは心配そうにレンを見る。

「くうっ、炎が小さすぎるのか・・・」

レンは苦虫を噛み潰したような表情をしながら言う、確かにアレスの火球は大体野球ボールくらい、ラフレシアンの大きさから考えるとそこまで効果のある一撃には思えなかった。

「でもやるしかない、先輩!おんなじ作戦もう一度お願いします!!」

「・・・ああ、アレス!」

『御意!』

アレスはレンの指示に従って今度は火球を連射し、セントとワルフはさっきと同じ要領で着弾した部分が燃えている間にアルフは拳と蹴りを、ワルフは鋭利な爪をそれぞれ打ち込んだ。

「ギャアアァァァ!!!」

するとだんだん効いてきだし、ラフレシアンは絶叫を上げて触手を振り回す、一度距離を取った二人は触手の攻撃をかわしていくがセントが何かにつまずいたか倒れてしまい、そこに触手が迫る。
セントは一か八かと言うように身構え、打ち返そうと試みるがその直前に何者かが自分に体当たりし、攻撃をその身に受ける。セントが驚いて見るとそこには人狼に戻っているワルフの姿があった。

「ワルフ!なんで!?」

「はぁっ、はぁっ・・・どうやら奴の毒に当てられたらしい、花びらにしこまれてたようだ・・・」

ワルフはそこまで言うと倒れ姿を消す、精霊は倒れるとマスターの心に戻る。しばらく召喚はできなくなるが死んだわけではない。しかしセントはギリと歯を噛むとラフレシアンを見た。すると驚く光景が目に入る

「くっ・・・」

「なっ!?」

ラフレシアンの注意はすでにセントから逸れており、その注意はリムスに向かっていた。ロイも援護に行こうとしているが触手に邪魔されて行けそうにない。

「(くそっ何が大丈夫だよ、チームに迷惑かけて・・・もっと力が欲しい、あいつを倒せるほどの力が・・・)」

セントは目を瞑り、腕を握り締めながら心の中で強く思う、と突然頭の中に何者かの気配が生まれた、ワルフではない、そして頭の中から声が聞こえ始め、腕輪の珠が赤く輝き始める。

「・・・全てを焼き尽くす業火の力、今我が前にその姿を現せ!サラマンドラ!!」

セントが叫ぶと赤い光が輝き、それが止むとセントの目の前にまさに悪魔と呼べる外見の精霊が現れた。赤い身体を持ち、背中にオレンジ色の翼が生え、頭には二本の角が生えている。それを見ながらセントが叫ぶ

「燃やし尽くしちまえ、サラマンドラ!!!」

『うおおぉぉぉ!!』

サラマンドラが叫ぶとラフレシアンの下からまるで地獄のから出てきたかのような爆炎がラフレシアンを包み、炎が消え去った後にはラフレシアンが灰になっている姿だけが残っていた。それを見ながらリムスがつい呟く

「・・・セント・・・」

「はぁ・・・はぁ・・・う・・・」

セントはサラマンドラを消すとそのまま倒れ、それを見たリムス達は大慌てでセントに走り寄り、気絶しているだけだと分かったらすぐに背負って山から下りていった。
カイナ
2008年05月06日(火) 20時43分14秒 公開
■この作品の著作権はカイナさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
てな訳でワルフの能力、獣化とセントの色んな精霊を扱えるという能力を出しました。
えっと・・・言うことが思いつきません・・・それでは

mlkさん
申し訳ないですが、サモンナイト分からないので何とも言えません。

風斬疾風さん
難しいです。そう言うわけで実際戦闘は今回はセントとワルフにレンにアレスに止めました。
そうですか、まあ頑張ってみますね。ちなみに一人称小説とかがよく分かりません。なんですかそれ?(勉強不足)

あぁそうだ、いい忘れてましたが設定蛇足、ロイとエレナは二年です。

この作品の感想をお寄せください。
二対同時召喚とか出来るのかな?
色々と使い分け(言い方悪いかな?)が出来そうですね。
敵の動きがも少し分かると良かったです。

一人称小説ってのは、……主人公の視点で話される物語、ですかね? 私のとか、mlkさんのもそうだと思います。
30  風斬疾風 ■2008-05-08 17:08 ID : FZ8c8JjDD8U
PASS
コメント遅れて、申し訳ない。

これからもいろんな能力が開花していくのかな?
30 ケルベロス ■2008-05-06 21:59 ID : 8u0JUU1wUZY
PASS
「・・・全てを焼き尽くす業火の力、今我が前にその姿を現せ!サラマンドラ!!」
なんか本格的っぽくてカッコいいですなw
30 mlk ■2008-05-06 20:49 ID : NJES.RZZwZg
PASS
合計 90
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)  削除用パス 


<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD 編集 削除