サモナーズストーリー 5章 |
ここはレイツェン郊外練習場、今ここは数多くの一年二年生で溢れかえっている。その理由は一つ、今日の交流授業のためだ。この学校の一年はここの試験結果を重視して寮分けがされる。つまり一年生にとっては寮分けが決まると言っても過言ではないテストだ。ちなみにセントも当然二年組に入っているが、困った表情で辺りを見回していた。 「(・・・はぁ、なんだよこの多さ、241のゼッケンが目印って多すぎて分かりゃしねえっての・・・)」 セントは自分の付けているゼッケンと渡された紙を見ながら途方にくれている。相手の名前はセリア・クレイン、ただそれだけが分かっている。 「名前だけでどうしろってんだよ・・・」 セントは頭をかきながら座り込む。名前しか分からない奴は探しようが無い、その内数が減っていくからそれから探そうと考えたのだ。 「あのー!そこの241の人ー!!」 「ん?」 セントはその言葉を聞くと振り返る、その先には女の子が走ってきていた。ピンク色のふわふわした感じの髪が風に揺れている。セントはそう考えながら立ち上がるとその女の子を見据える、と女の子がいきなり叫ぶ 「あ!あなたはあの時の!!」 「ん?・・・あ、お前不良に襲われてた!!」 女の子の言葉にセントは少し考えるとあの時の女の子だと気付き返す。するとその女の子は丁寧にお辞儀をして言う 「セリア・クレインです、今日はよろしくお願いします」 「ああ、お前がタッグ相手か、よろしく」 女の子、セリアの言葉にセントも返して頭を下げる。それから揃って郊外練習場の中の一つのグラウンドに歩いて行った、そこで試験が始まる。 ここの試験は簡単、一年と二年のタッグ同士で戦い、その結果で決まる。勝ち負けだけではなくチームワークや戦い方も最終結果に反映されるため真剣に戦わなければいけない。 「それじゃ、これから176番と241番の交流試験を始める。双方精霊を召喚してくれ」 今回の試験官がそう言うとセントはワルフを召喚し、セリアも己の精霊を召喚する。セリアの精霊は丁度白鷺が光り輝いているように見える。 相手の精霊は一体は顔を兜で覆っており、マスターの髪の色と同じように燃えている二本の剣を持つ剣士、いや、腕と剣が同化しているといった方が正しい。もう一体は灰色と黒の縞のあの虎だ。 「ん?・・・あれ、あんたはあん時の不良」 「ちってめえか、丁度いい、今ここであん時のお返ししてやるぜぇっ!!」 不良がそう叫ぶと同時に虎が襲い掛かってくる、ちなみに体付きから考えて不良は二年、あの剣士使いが一年だろう。セントはそう考えると虎に狙いを定めるようワルフに指示を出しながらセリアに言う 「セリアって言ったっけ?しばらく持ちこたえといてくれ。ワルフ!!」 『おおぉぉぉ!!』 ワルフはセントに返す代わりに虎に左の拳を打ちつけ同時に右の拳をアッパーの要領で上に突き出す。虎は右のアッパーで宙に浮かび、それを追うようにワルフも飛び立つ 『くらいやがれぇっ!!!』 そのままワルフは回転踵落としを虎に打ち込む、と虎は地面に強かに打ち付けられ、消え去る。あっという間に相手を一人にした、それからセントがセリアを狙う剣士を見ると 「・・・ちっ!ワルフ、援護しろ!!」 セントは急いで指示をし、ワルフは素早く剣士に飛び掛る。セリアの精霊は防戦一方、明らかにまずい状態だ。ワルフが飛び掛ると剣士はその場から離れ、それからセントがセリアに叫ぶ 「おい!大丈夫か!?」 その言葉にセリアはふぅと息を吐いてから返す 「はい、私の精霊リューネは守りに長けているので。心配要りません」 「よかった・・・戻れ、ワルフ」 セントは息を吐くとワルフを消す、普通なら自殺行為にしか見えないがセントは不敵な笑みを浮かべて言う 「一気に決めてやるぜ・・・焼き尽くせ!サラマンドラ!!!」 『うおおぉぉぉ!!ヘル・フレアァ!!!』 セントが叫ぶと同時にあのラフレシアンを焼き尽くした悪魔が現れ、剣士に向けて地獄の炎を放つ。剣士は為す術なく炎に巻き込まれ、セントはやったと考えるが、炎が消えるとそこには何とも無いように立っている剣士の姿があり、それを見て驚いた表情をしたセントを見て一年が言う 「僕の精霊、ヘルレアに炎は極上のご飯ですよ。お礼です、やれっ!!」 『はぁっ!』 少年の言葉が聞こえた瞬間ヘルレアは走り出す、いや、動いたと思った瞬間そいつはサラマンドラの目の前に現れ、その剣をサラマンドラの心臓目掛けて突き刺す。サラマンドラは何が起きたか理解できないような表情をしながら消え、ヘルレアはリューネにも剣を振るうがそれは突如現れた光の壁に阻まれ、その隙にセリアが言う。 「今の内に狼さんを召喚してください!長くは持ちません!!」 「あ、ああ・・・ワルフ!」 『あいよっと!』 ワルフは素早く現れてヘルレアを睨むが、ヘルレアはすっとワルフの目の前に移動し剣を振るう。ワルフは何とかかわすが、かわすのに精一杯、それを見てセントが歯噛みすると少年が言う 「パワーアップしたヘルレアについていけるなんて、やりますね。でもここまでです!」 少年がそう叫ぶと同時にヘルレアのスピードが上がる、ワルフは完全に不意をつかれるがその一撃は光りに阻まれ、同時にヘルレアの頭上に雷が落ちる。 「リューネは守りの白鷺、それと共に私に魔法を使役する力を与えてくれる。ちなみに今回は関係無さそうですが、策敵能力にも長けてますよ」 「・・・サンキュ、ワルフ!あんな使い方してたらマスターがもたねえ!とっとと決めるぜ!!」 『おうよ!ウオオォォォン!!』 ワルフはセントの言葉に呼応して遠吠えし、己の真の姿である狼に姿を変える。少年はすでに息が絶え絶え、己の実力以上に力を高めてしまった精霊を使役しているため意識を保つのも精一杯のはずだ。 「サラマンドラ作の飯はそんなに美味かったか、だったら寝てな!セリア、援護しろ!!」 「は、はい!」 セリアはセントの言葉に返すとヘルレアの弱点と思われる氷や水を生み出して攻撃し、リューネもワルフに光の守りを与えて援護し、ワルフは守りを二人に任せてヘルレアに突っ込んだ。 「決めな、ワルフ!」 『言われなくてもなぁ!斬り砕く、俺の爪と牙でなぁ!スラッシュ・バイト!!』 ワルフはヘルレアへの攻撃の間合いに入ると爪で連続で引っ掻き、さらに牙をたててヘルレアを噛み砕く。ヘルレアはその一撃を受けるとマスターが気を失うのも手伝って消え去った。 それから試験結果も聞かずに大急ぎで少年、ギィ・マリナスを医務室に運び、彼らの試験は終わった。 それから一年生入寮の日。 「セ、セリア・クレインです。よ、よろしくお願いします」 「ギィ・マリナスです。よろしくお願いします。」 「二人とも俺達の寮か、よろしく」 「まさか二人ともセントの試験に関係してるなんてねぇ」 セリアは緊張からか慌てて挨拶し、ギィは手馴れているように挨拶する。試験結果にセントが笑いながら言うとリムスが皮肉っぽく言い、寮内は軽く笑いに包まれた。 |
カイナ
2008年05月19日(月) 22時10分00秒 公開 ■この作品の著作権はカイナさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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『腕と剣がどうかしているといった』←同化は漢字を使った方が。これだと……。『相手の精霊は一体は顔は兜で覆われており』……『は』が重なりすぎかな。三回目の『は』は、『を』でも良いかも。 いや、駄作ではないかと。試験場(?)の描写もあれば良かったかな。 |
30点 | 風斬疾風 | ■2008-05-19 18:51 | ID : FZ8c8JjDD8U | |
試験結果に結果にセント これミスですかね? はい、予想が当たりました。ありがとうございました。 |
30点 | ケルベロス | ■2008-05-18 21:03 | ID : 8u0JUU1wUZY | |
合計 | 60点 |