蛹 |
[秘密其ノ一] 「それは概ねはねつきあたまの」 「あの子の帰りを待つ私どもが」 「デタラメに吹く」 「口笛を薄く伸ばして作った風車であるが故に」 「まぁ“虚飾は何とか”とでも申しますか」 「くるくる」「廻る風車(はね)」 「くるくるくる」「あーっ!また帰ってきた!」 「お帰りなさい」 [秘密其ノ二] 尾の無い赤い目をした子犬が彼にこう問うた。 「そうそう、これも『お月様が照らしてくれた秘密』なのですが、 それは羽なのでしょうか?」と。 彼は悲しそうな目をしてこう言った。 「ほうき星に導かれ、僕はここまで来たのだ」 ゆるり、廻る―――風車(はね)は折れた――― 「誰が問うた?」 [アノ子何処ノ子] 人肌の恋しくなるほどに恐れられるその山で彼は産声を上げた。 カタカタ、風と共に鳴る風車―――調律はお好みに。 母はいつも歌を歌っていた。 しかし気付いたときには母の音は無くなっていた。だからどんな歌なのかも思い出せない――― 泣けども泣けども爪齧り飛び回る母を僕は見ていた。 「帰依」と仰っていた―――― 「残月にお祈り」 「寄らば大樹の影だね!」 「そう(笑)誰よりもずっと優しくされたいんでしょう?」 「あははははは…」 「ふふふふふ…」 ラ〜ララ〜と貴方(きみ)は言う。舌を回しながらいつもの詩を――― 千の目が怖かった。泣きながら月にお祈りしたのはいつの日の事であっただろうか――― “蒼より白濁 白より蒼い天上の月光を以ってはじめて 鮮明に浮かび上がる千の羽を縫いつけた結果” 「地よりも低い空へ昇り ま す!ませんか!ましょう!」 『君が』 「綺麗ナー」と母は見てくれた。 ひらひら、ひらひら、千枚羽―――それが嬉しかった。 相も変わらずに母様は歌を歌い続けていた。でも、音は無かった―― 震える銀の波。 祈り、願いの代償―――その全てが頭からズルリ、と。 伸びていくそれらの事を見ながら、母は、ただ、母は静かに――― 『月へと伸びていく母を追いかけて泣き叫ぶ僕の後ろで はねは静かに ただ静かに 揺れていた』 笑っていた――― 風車(はね)はからん、からんと音を立てて流れていく。 時は流れ、僕は狩られてしまった――― 『ママに抱かれたいのにね…』 ただ、微笑みだけを遺して――― 赤い空の窓から、消えていく母を呼ぶ。 歌を歌った。母の音無き詩を。 咽が枯れるほど――― 幼き歌声をのせた月の雫が降り注ぐ光のおびに溶けて星になった。 尾のないかの子犬は呟く。「こういうことか…」 「つよく、ねえ、そう、高く背伸びしたよお月様―――」 空へと墜ちて行く…… 「ねぇ、もっと来ておくれ…」 大樹の影で、其の人は呟いた。 不意に何かが声を上げた。 「あっあっ!また帰ってきた!」 「もし、きみきみ。ハネ ハ ハエマシタ ?」 |
setsunaZERO
http://jp.youtube.com/watch?v=qGf-ZiLlDnw 2008年07月09日(水) 18時36分34秒 公開 ■この作品の著作権はsetsunaZEROさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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………分カラナイ。嗚呼、この詩に含む、その意、想い。ワカラナイ―――。ケド、雰囲気は好きですよ。今度、聴イテみようかト思います。 内容はオリジナルじゃないわけですが、別にいいですよね? と。其れで、次回のときはページのHPの所にアドレスを張って貰えると嬉しいです。youtubeでも、ニコニコ動画でも、特に何でも。良いので直で行ける様な。 私は、知っていますよ。貴方の事。えぇ、覚えてますとも。お久しぶりですかね。因みに、『音ゲー』なるものはやっておりません。音楽は好きですが。あ、この曲の題名、読めません……。それと、アーティストも分りません。基本的にアニメ曲ばかりの風斬です。それでは。 |
30点 | 風斬疾風 | ■2008-07-07 22:54 | ID : FZ8c8JjDD8U | |
え〜と、コメントしますが、歌詞の意味は分からないのであしからず・・。 youtubeで聞いてみましたけど、これはフルで一分半ほどなんですか? 赤い鈴という曲は四分強ほどありましたけど。 ちなみに、音ゲはやってませんね。 |
30点 | ケルベロス | ■2008-07-07 21:22 | ID : 8u0JUU1wUZY | |
合計 | 60点 |